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ナノテクノロジー・材料分野 科学技術・研究開発の国際比較 2011年版(独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター)

ナノテクノロジー・材料分野 科学技術・研究開発の国際比較 2011年版
(独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター)

http://crds.jst.go.jp/output/pdf/11ic04.pdf
エグゼクティブサマリー

ナノテクノロジー・材料分野(以下、ナノテク・材料)への公的投資が始まってから日米双方とも11 年目を迎える。2001 年に米国のNNI(国家ナノテクノロジー計画)がスタートして以後、日、英、韓を始め世界の主要数10 カ国が相次いで独自のナノテク国家計画を発表した。民間を含む世界の年間総投資額は、2008 年に約1.2 兆円(US$14B)に達し、2015 年度には6 兆円(US$70B)と予測されている。特にこの数年は、米国、EU 諸国を中心として政府投資の継続的強化、新興国(ロシア、中国、中近東)の新たな参入などが相乗して投資急増の傾向となっている。また、それに応える形で、ナノテク・材料分野における論文・特許の件数は着実に増加し、研究開発成果の商業化の例も出始めている。

ナノテク・材料分野はほとんど全ての産業領域を横断する融合技術分野であり、新材料・新プロセス・新デバイスが生み出される期待が大きい。特にここへ来て、環境・エネルギーや健康・医療、エレクトロニクス等の各応用分野から、ナノテク・材料技術によるブレークスルーへの期待がいっそうの高まりを見せている。日本においても、2011 年度にスタートする科学技術基本政策においてグリーンイノベーション、ライフイノベーションの実現という2 本柱を掲げており、東日本大震災からの復興計画も含めて、これらの社会的課題を解決するためのナノテク・材料分野のポテンシャルは非常に大きいと考える。

各国の科学技術力を全体的に俯瞰すると、日本は国際的に優位を保つ材料科学・物理学・化学の学術ポテンシャルと、圧倒的な強さを持つ部素材産業とを車の両輪にして、欧米と肩を並べて世界をリードしてきたが、韓国、中国の追い上げが急であり、東日本大震災の影響もあり、予断を許さない状況になりつつある。また、欧米に比較して、企業化を含む長期的な戦略や、そのために必要な人材育成策、インフラ構築策が脆弱である。以下に、個別領域について国際比較の概略を記す。

グリーンナノテクノロジーの最近の全体的な傾向としては、低炭素化等の地球規模の課題や熾烈な市場競争を背景に、日・米・欧が従来から行われている先端的な技術開発を背景に先行してきた。しかし、中国、韓国等が部分的にではあるが日本や欧米の持つ科学的知識を参考に最新技術を積極的に導入することによって産業的な競争力を付けながら追い上げ、追いつき、さらには一部では追い越しつつあると言える。米国では従来のNNI 等による強力なナノテクノロジー施策に加え、Steven Chu 氏がエネルギー長官就任以降、グリーンナノテクを重視する具体的な施策を着々と進め、同国をこの分野のリーダーの地位に押し上げつつある。エネルギー省における46 のエネルギーフロンティア研究センター(EFRC)の基礎研究課題の大部分がナノテクノロジーであるという事実は象徴的である。

欧州は地道な基礎研究で高いレベルを維持し、新産業の基盤となる技術を生み出している。標準化等では域内諸国の一体化した活動が力を発揮している。グリーンナノテクノロジーで特筆すべきは中国であり、研究水準、技術開発水準、産業技術力は各技術で急速に高まっており、今後の世界全体の動向を左右する存在になりつつある。韓国も最近科学技術予算の決定機構を大きく変え、科学技術政策の強化が鮮明に打ち出される中、政府や特定大企業の集中的な投資により、多くの分野で日本に肉薄している。日本もこれまでの技術蓄積を基盤に依然としてトップレベルにあり、最近ではグリーンイノベーションがライフイノベーションと並んで2 大重点分野として取り上げられ、この分野への関心は高まってはいる。しかし、基礎基盤分野を含めた統一的な研究戦略や人材問題への基本的対策等の検討・確立が不充分で、研究水準、産業技術力のいずれについてもその位置を保持するのは容易でなくなってきている。

ナノバイオテクノロジーは、研究水準、技術開発水準、産業技術力ともに米国が依然として優位を占める。日本はDDS (ドラッグデリバリーシステム)用材料、再生医療材料の基礎研究で一歩先んじているものの、他の分野では圧倒的優位を誇るものが無い。また産業技術力は欧米の後塵を拝している。当該領域は、既存の大企業では進出しにくい一面があり、小回りの利くベンチャー企業の活躍が各分野とも必須であるが、ベンチャー育成のためのインフラ整備が欧米に比して日本は遅れている傾向にある。欧州は、特定技術に限っていえば世界水準の研究が数多くある。中国、韓国は、米国等での留学経験者が帰国し、研究開発の主力を演じている。まだレベルにばらつきがあるものの、国際レベルの研究機関も現れ、今後さらに注目である。特に中国は、許認可に関わる法的制約が日米欧に比して少ないと考えられ、今後急激に発展する可能性がある。

ナノエレクトロニクスでは日本は総じて高い水準を保つが、世界のアクティビティと比較すると必ずしも楽観できるものではない。特にナノエレクトロニクスを牽引するナノCMOS 技術においては、世界的に研究開発の拠点化とアライアンスが進むなか、日本メーカーの研究開発アクティビティは大幅に低下している。深刻なのはアカデミアの基礎研究・開発も他国に遅れ始めたことであり、今後、長期的観点に立った人材育成策や産学協同体制の構築を図らない限り、やがては韓国あるいは中国に追い抜かれることは避けられないだろう。

新物質・新材料に関しては、多くの技術で日本が世界の先端を走っている。特に産業化が進んでいる材料に関しては、ほとんど日本の独壇場と言ってよく、米国がこれに次ぎ、そして欧州は後追いのかたちとなっている。韓国や中国の追い上げは、一部利益率の高いところで日本からの技術導入が進み、現地での工夫も加えられており、まだそれほど顕在化していないものの、将来的には大きな脅威と見られる。一方、新規な機能材料については、日本の活躍が目立つものの、欧米で先行する研究開発も少なからず見受けられ、特に欧州での政策に基づく展開が要注目である。政策展開は韓国でも強力に進められている。今後10 年間は真の材料設計が日米を中心にして注目を集めることになるだろう。

ナノサイエンスにおいては、全体的に、近年上昇傾向にある研究テーマが多い。日本および米国ではその傾向が強く、欧州の進捗も大きい。しかし特に注目されるのは、これまで中国や韓国においては日・米・欧と比較して研究水準自体が若干低いテーマが多いと見られていたが、近年、研究者数と学術誌への論文投稿数は激増しており、成長力を感じさせる。特に実用化が著しい半導体関連の「界面・表面」の各テーマについては、韓国の研究・技術開発力の上昇が目立つが、基盤的研究はまだ少ない。日本および米国は、特にハードに関しては研究・技術開発力、更に産業技術力ともに優れている。一方、シミュレーション等のソフトウェアを公開し、商用化に結び付ける産業化力では、日本を含むアジア諸国は米欧の後塵を拝しており、今後の課題となっている。欧州では大学での研究が主体であるが、いくつかのテーマはベンチャー企業が実用化を目指している段階にある。

ナノ加工プロセスでは、技術的蓄積があり、しかもこれを用いる産業が発展している日米欧が、研究水準、技術開発水準、および産業競争力で強さを示す。しかしながら、いくつかの先端分野ではキラーアプリケーションを見出すには至っておらず、研究開発投資戦略が今後の展開を左右するといえる。韓国・台湾は国家的にエレクトロニクス産業を育成しており、その基盤技術であるナノ加工プロセスの研究開発に力を入れ、量産技術では日米欧に接近しつつある。これには欧米から帰国した研究者、および集中投資を行う政府の役割が大きい。特に韓国は充実したナノファブリケーションセンターのネットワーク構築に巨額の投資を終えている。中国も、韓国・台湾と同じ道をたどり始めている。

計測・評価・解析では、欧米が依然として新しい計測技術を生む土壌において他をしのいでいる。米国は計測機器のみに特化することなく、ナノテク全体の中での戦略として体系的・俯瞰的強化を実行している。欧州は新しい計測技術を長い時間をかけて生み育てる土壌と実績がある。日本は新しい計測技術を生みだす点では欧米に一歩譲る面もあるが、高分解能・高機能原子間力顕微鏡など特定分野で欧米に勝る技術を有する。韓国は以前に比べて技術力が向上しているが、計測評価機器の大部分は外国からの導入であり、独自の計測技術開発という点では日米欧とまだ差がある。中国も同様であるが、優秀な研究者が欧米から帰国するなどして、今後急速に技術力が向上する可能性がある。計測やリスク評価技術の国際標準化に中国・韓国の積極姿勢が目立っている。

関連共通課題として、融合と連携を加速推進するための共用施設・研究拠点、教育・人材育成、国際標準・工業標準、リスク評価・EHS(環境・健康・安全)、ELSI(倫理的・法的・社会的問題)・社会受容、国際プログラム・国際連携の諸課題がある。

次ページに、本調査における全綱目の比較結果を一覧としてまとめた。
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「大学院教育の実質化の検証を踏まえた更なる改善について (中間まとめ)」に関する意見募集の実施

案件番号 185000483
行政手続法に基づく手続であるか否か 任意の意見募集
所管府省・部局名等(問合せ先) 文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室
電話:03-5253-4111(内線3312)
案の公示日 2010年11月03日 意見・情報受付開始日 2010年11月03日 意見・情報受付締切日 2010年12月02日

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?OBJCD=100185

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000483&Mode=0
++++++++++++
「大学院教育の実質化の検証を踏まえた更なる改善について」(中間まとめ)に関する意見募集の実施について
平成22年11月3日・高等教育局大学振興課

中央教育審議会では、標記の事項について審議を重ね、このたび10月29日(金)に「大学院教育の実質化の検証を踏まえた更なる改善について」(中間まとめ)としてとりまとめました。
ついては、本報告書についてご意見がございましたら、下記の要領に沿ってご提出ください。皆様からお寄せいただくご意見については、今後、答申に向けての審議の参考とさせていただきます

【1.具体的内容】
→【別添】参照

【2.意見の提出方法】
(1)提出手段郵送・FAX・電子メール
(電話による意見の受付は致しかねますので、御了承ください)
(2)提出期限平成22年12月2日必着
(3)宛先
住所:〒100-8959 東京都千代田区霞ヶ関3-2-2
文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室宛
FAX番号:03-6734-3387
電子メールアドレス:intousin@mext.go.jp
(判別のため、件名は【「大学院教育の実質化の検証を踏まえた更なる改善について」への意見】として下さい。また、コンピューターウィルス対策のため、添付ファイルは開くことができません。必ずメール本文に御意見を御記入下さい)

【3.意見提出様式】
『「大学院教育の実質化の検証を踏まえた更なる改善について」(中間まとめ)への意見』
・氏名
・性別、年齢
・職業(在学中の場合は「高校生」「大学生」など在学する学校段階を表記。)
・住所
・電話番号
・意見
※複数の論点について御意見をお寄せいただく場合には、とりまとめの都合上、論点毎に別様としてください。(1枚1意見、1メール1意見としてください。)

【4.備考】
① 御意見に対して個別には回答致しかねますので、あらかじめ御了承願います。
② 御意見については、氏名、住所、電話番号を除いて公表されることがあります。なお、氏名、住所、電話番号については、御意見の内容に不明な点があった場合の連絡以外の用途では使用しません。

(高等教育局大学振興課大学改革推進室)

++++++++++++
関連情報

意見公募要領(提出先を含む)、命令等の案

意見公募要領
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000069525

大学院教育の実質化の検証を踏まえた更なる改善について(中間まとめ)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000069526

関連資料、その他

ポイント
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000069527

概要
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000069528

文部科学省・平成22年度予算

http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h22/index.htm

平成22年度予算予算(案)に、「平成22年度文部科学省 予算主要事項」を掲載しました。(平成21年12月26日)
予算(案)に、「事業仕分け結果・国民から寄せられた意見と平成22年度予算(案)における対応状況(平成21年12月25日)」を掲載しました。(平成21年12月28日)

■概算要求
平成22年度文部科学省 概算要求の概要(平成21年10月) (PDF:435KB)
平成22年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧(平成21年10月)
平成22年度 概算要求書 (マニフェストを踏まえた要求)
財務省公表資料「平成22年度予算編成上の主な個別論点(文部科学省予算について)」(平成21年12月3日)に対する文部科学省の見解
(参考)平成22年度文部科学省 概算要求主要事項の発表資料一覧(平成21年8月)
(参考)平成22年度概算要求における事務・事業の見直し状況 (PDF:144KB)

■予算(案)
平成22年度文部科学省 各局課別予算(案)等の発表資料一覧
平成22年度文部科学省予算(案)、機構定員関係 (大臣談話)
平成22年度文部科学省予算(案)のポイント (PDF:552KB)
「平成22年度文部科学省予算(案)のポイント」補足説明
事業仕分けに関する御意見への対応について

中長期的な大学教育の在り方に関する第一次報告 - 大学教育の構造転換に向けて -平成21年6月15日

中長期的な大学教育の在り方に関する第一次報告
- 大学教育の構造転換に向けて-

中央教育審議会大学分科会・平成21年6月15日

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1269944.htm

目次
はじめに-大学教育の構造転換の必要性-
第1 社会や学生からの多様なニーズに対応する大学制度及びその教育の在り方
1 現状と課題
2 公的な質保証システムの検討
(1)設置基準と設置認可審査における課題
(2)設置基準と認証評価における課題
(3)設置認可審査と認証評価における課題
3 学生支援・学習環境整備の検討
4 学位プログラムを中心とする大学制度と教育の再構成
第2 グローバル化の進展の中での大学教育の在り方
1 現状と課題
2 大学の国際競争力向上のための方策
3 世界的規模での大学に関する評価活動への対応
第3 人口減少期における我が国の大学の全体像
1 現状と課題
2 大学全体に関わる事項
3 大学相互間の関係
(1)機能別分化の促進
(2)教育・学生支援分野における共同利用拠点の創設
4 各大学の取組
(1)大学の適正規模の観点からの自主的な組織の見直しへの支援
(2)大学の健全な発展のための収容定員の取扱いの適正化
5 情報公開の促進

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

はじめに-大学教育の構造転換の必要性-
中央教育審議会大学分科会では,平成20年9月11日の文部科学大臣からの諮問「中長期的な大学教育の在り方について」を受けた審議を行っている。
大学制度の根幹を踏まえつつ,大学が,その社会的使命を果たすべく,より開かれた存在となるためには,大学教育の構造転換が今こそ図られなければならない。大学分科会では,そのための改革について具体的な検討に着手しており,これまでの審議経過を「第一次報告」として取りまとめることとした。

(諮問の内容と大学分科会の審議体制)
平成20年7月に政府によって閣議決定された「教育振興基本計画」は,大学に関し,平成20年度からの5年間で,特に重点的に取り組む事項として,教育力の強化と質保証,卓越した教育研究拠点の形成と国際化の推進等の施策を示すとともに,この「5年間を高等教育の転換と革新に向けた始動期間と位置づけ,中長期的な高等教育の在り方について検討し,結論を得る」としている。
このことを受けて,同年9月11日,文部科学大臣から中央教育審議会に諮問「中長期的な大学教育の在り方について」がなされ,その具体的な検討が大学分科会に付託され,9月25日以降審議を進めてきた。

諮問の主な内容は,以下の3つからなっている。
(1) 社会や学生からの多様なニーズに対応する大学制度及びその教育の在り方
(2) グローバル化の進展の中での大学教育の在り方
(3) 人口減少期における我が国の大学の全体像
加えて,(1)~(3)に関連する行財政システムの検討を行うとされている。
また,諮問理由説明として,具体的に審議を要する事項が示されている。
第4期大学分科会は,本年1月26日まで7回審議を行い,同日付けで,審議経過を取りまとめた。
2月以降,第5期大学分科会として議論を継続し,これまで5回の審議を行った。その際,第4期と同じく,大学分科会が主導的に検討を行うことを基本とした上で,審議の機動性を高め,議論の内容を深化させるため,5つの部会と2つの委員会を設置した。
なお,大学分科会に設けた「大学教育の検討に関する作業部会」に,複数のワーキンググループ(WG)を設置し,審議事項のうち専門的な内容に関し,調査・分析・論点整理を行っている。

本報告は,以上の体制により,大学分科会や,大学分科会に設けた「質保証システム部会」及び「大学規模・大学経営部会」で議論された内容等を踏まえたものである。

(大学教育の構造転換の必要性)
中長期的な大学教育の在り方の検討に当たっては,上記の教育振興基本計画のほか,これまでの中央教育審議会の諸答申の蓄積を踏まえる必要がある。平成17年1月の「我が国の高等教育の将来像」(将来像答申)において,今後の高等教育の在るべき姿や方向性について全体像を示したところである。それ以降,「将来像答申」を受けて,大学院教育と学士課程教育の在り方について議論を行い,その結果をそれぞれ同年9月の「新時代の大学院教育」,平成20年12月の「学士課程教育の構築に向けて」(学士課程教育答申)として取りまとめている。
そうした議論の蓄積に基づき,今回の審議における基本的な問題認識として強調すべきことは,大学教育の構造転換の必要性である。
国内外を通じて,人口構造・産業構造・社会構造等が大きく変わる中,大学が,自らの構造転換に積極的に取り組み,社会に対する新たな役割を主体的に提示していくことが求められる。
我が国の大学教育は,依然として18歳頃から20歳代前半の若者が主たる対象であるが,現在及び今後の労働環境や社会状況の変化を見据えるならば,年齢を問わず,社会人等の多様なニーズを持つ者を対象とする教育機関に変わり,生涯学習社会の推進に大きな役割を果たしていくことが強く求められる。また,人口構造,産業構造,社会構造等の大きな変化,また,大学及び社会全体のグローバル化が急速に進む中,大学がその知的活動を通じて,社会全体に対し寄与・貢献できる機会は大きく拡大している。各大学は,その本来的な役割を踏まえつつ,自らの目標を明確にして,その活動を発展させていくことが期待される。また,各種の教育制度も,そうした各大学の取組を奨励・促進させるべく必要な検討が求められる。
本報告で述べる各施策も,そうした大学教育の構造転換を想定した上で,必要と判断されるものを整理している。

加えて,各施策を通じた基本的な考え方として,以下の3点をあげることができる。
第一として,大学教育の構造転換を進めるためには,質保証システムの構築と量的規模の在り方の2点の検討が不可欠ということである。
過去20年間で,我が国の大学数は250校以上,学生数は77万人増加しており,
その間,大学・短期大学進学率は,36%から55%に上昇した(大学と短期大学を合
計すると,学校数は91校増加,学生数は48万人増加した。)。こうした量的規模の
拡大の背景には,大学への進学意欲の高まりの中で,平成15年度からの,
(1) 大学設置基準等の法令上の要件を満たせば設置を認可する「準則主義」に転換,
(2) 「高等教育計画」に基づいて大学や学部の収容定員の増を抑制してきた方針を,基本的に撤廃,
の2つを指摘できる。このうち,(1)は質保証システムの在り方に,(2)は量的規模の在り方に,それぞれ大きく影響している。また,これらの質と量の検討には,国内の状況だけでなく,大学のグローバル化という側面も無視できない。
第二として,質保証システムや量的規模の在り方を具体的に検討するには,多様化・個性化が進む大学をすべて同一に扱うのではなく,機能別分化を前提とすることである。
地域や社会からの要請や学生からの多様なニーズに応えるには,少数の限られた大学だけでなく,多くの大学が,それぞれ個性と特色を生かした教育を行い,我が国全体として多様な教育が提供されていくことが望ましいと考えられる。
各大学は,自らの特長を生かす中で機能別に分化していくことが期待され,その際,大学間の連携協力を通じて,教育活動を補完し合う動きも奨励すべきである。
関連して,各大学が,教育研究の質を向上させ,健全に発展していく上では,各大学にとっての適正規模の確保を通じて,その経営基盤を強化・安定していくことも求められる。
第三として,大学教育への公財政措置の確保である。
意欲と能力のある誰もが学ぶことができる教育安心社会の実現,大学における世界最高水準の教育研究環境の実現,その他多くの課題解決を念頭に置きつつ教育投資が措置されることは,大学教育が多様な者を受け入れ,産業界・地域社会等にとって優れた人材を確保するだけでなく,教育立国としての我が国の発展のために欠かせない。また,各大学における教育の質の向上への努力と,経営の健全化に向けた各大学の規模の適正化を前提として,また,そうしたことを加速するためにも,必要な公財政措置が確保されなければならない。

(第一次報告の構成)
以下では,諮問の3つの内容に沿って,現在まで審議を行った事項について述べる。
本報告は,諮問事項全体を包括する総合的な内容と構成を持つものではなく,現時点までの審議を通じて明らかとなった論点を整理している。したがって,報告中の各検討課題には,
(1) 速やかな対応を前提として,具体的な改善を提起するもの,
(2) 大学分科会又は部会等において,さらなる検討を行うこととし,現時点では方向性の提示にとどまるもの,
(3) 今後,大学分科会又は部会等において,あらためて審議を行うことを前提に,議論の論点を整理するもの,
などがあり,審議の進展状況に応じ,記述の具体性の程度が異なっている。
また,本報告は,できるだけ簡潔な報告となるようにしたため,制度の詳細な説明を省略するとともに,これまで議論されたすべての論点を列挙することはしていない。
「大学院部会」では,教育機関としての大学院の実質化や,産業界からのニーズに適切に対応した大学院教育等について審議しており,その審議についても改めて整理することとする。
また,大学教育の在り方の検討においては,国公私立大学の在り方や,地方分権と大学行政の在り方も論点となるため,これは今後,「大学行財政部会」において審議を始めることとしている。
上記をはじめ,中長期的な大学教育の在り方の審議はいまだ途上であり,残された課題については,今後とも,大学分科会として,各界からの幅広い意見もいただきながら検討を進める必要がある。

大学における教育内容等の改革状況について

大学における教育内容等の改革状況について平成21年3月31日

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/03/1259150.htm

大学においては、教育内容の改善を図る取り組みが積極的に行われているところである。文部科学省では、大学に対する調査を行うなどして、平成19年度の大学における教育内容等の改革状況を取りまとめた。
近年の主な高等教育政策関係の動向に関する調査結果は以下の通り。
1.学士課程教育改革関係(参考:平成20年12月中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」)
○すべての授業科目でシラバスを作成した学部を持つ大学
677大学(約95%:平成18年度) → 691大学(約96%:平成19年度)
→着実に増加している。準備学習等についての具体的な指示(255大学)や準備学習等に必要な学習時間(56大学)を記載している大学は全体の半数以下にとどまっている。

○学部段階においてGPA制度を導入している大学
270大学(約38%:平成18年度) → 295大学(約41%:平成19年度)
→着実に増加している。GPAは主に学修指導(210大学)や奨学金・授業料免除(204大学)の基準として使用されており、進級判定(45大学)や卒業判定(28大学)の基準といった踏み込んだ活用は少数にとどまっている。


○ファカルティ・ディベロップメント(教員の職能開発)を実施した大学
628大学(約86%:平成18年度) → 664大学(約90%:平成19年度)
→着実に増加している。教員相互による授業評価を実施している大学(111大学)については、少数にとどまっている。

2.大学の国際化に向けた取組関係
○「英語による授業」(日本語を併用するもの及び英語教育を主たる目的とするものは含まない)を実施した大学
・学部段階  185大学(約26%:平成18年度) → 194大学(約27%:平成19年度)
・研究科段階 158大学(約27%:平成18年度) → 177大学(約30%:平成19年度)
→着実に増加している。なお、「英語による授業」のみで卒業できる学部については、前年と同数(5大学6学部)であったが、「英語による授業」のみで修了できる研究科(68大学124研究科)は増加している。

○国外大学とのダブル・ディグリー制度を導入している大学
37大学(約5%:平成18年度) → 69大学(約9%:平成19年度)
→着実に増加している。


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